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1.行政書士の仕事は分かりにくい

●役所に提出する許認可申請書類等の作成・提出手続の代理
●遺言書や各種契約書等の権利義務に関する書類の作成
●定款や議事録等の事実証明に関する書類の作成


主に上記の仕事をする職業のことですが、分かったようで 分かりにくいのが行政書士の仕事です。

役所に提出する書類って具体的にどんなもの?
遺言書や契約書の作成って弁護士みたいな仕事だけど、弁護士に頼むのとどこが違うの? 

○○士と名前のつく職業といえば、まず弁護士を思い浮かべるでしょうか。それから、似たようなイメージの職業としては、司法書士、社会保険労務士、 土地家屋調査士、税理士、弁理士など様々なものがあります。これらはいわゆる士業(さむらいぎょう)と呼ばれるものです。
弁護士などはテレビでも「弁護士○○の事件簿」のようなドラマがよく放映されていますから、おそらく誰でもその仕事内容は知っているでしょう。
まあ、テレビドラマのような仕事をしている弁護士が実際には日本にどれぐらいいるかはともかくとして一番理解されているだろう職業でしょう。 税理士もおそらくその名前から推測がつく職業だと思います。

それ以外の士業となると、聞いたことはあっても、どんな仕事をしているのか詳しくは知らないという人がほとんどだと思います。普通に生活していれば、 これらの職業の人に直接自分が仕事を依頼するということはほとんどないでしょうから無理もないことです。
しかし会社に勤めている人にとっては会社がお願いしている社労士や税理士がいるでしょうし、家を買うときは司法書士にお願いすることになる でしょうし、機会は少なくとも、直接間接に士業の人と接しているはずです。

そんな士業の中でも、とりわけ分かりにくいのが行政書士という職業だと思います。「カバチタレ」という行政書士を主人公にした テレビドラマがありました。この中で行政書士の主人公たちは、依頼者の相談を受けて、その相手方の会社や個人に対して内容証明を送りつけ交渉をし、 事件を解決していきます。ちょっと読むと、法廷の場面が出てこない以外は弁護士と大差ない仕事をしているようです。

すると行政書士ってのは弁護士と同じようなことをしているの? と思われた方。たしかに似たようなこともしているのですが、行政書士が「カバチタレ」 に出てくるようなことをするには、まず守らなければならない大前提があるのです。それは何か? ちょっと堅苦しいですが、行政書士法を 見てみましょう。

書類の作成が大前提

第1条の2  行政書士は、他人の依頼を受け報酬を得て、官公署に提出する書類(中略)その他権利義務又は事実証明に関する書類(中略) を作成することを業とする。
2  行政書士は、前項の書類の作成であつても、その業務を行うことが他の法律において制限されているものについては、業務を行うことができない。

第1条の3  行政書士は、前条に規定する業務のほか、他人の依頼を受け報酬を得て、次に掲げる事務を業とすることができる。ただし、他の法律に おいてその業務を行うことが制限されている事項については、この限りでない。
前条の規定により行政書士が作成することができる官公署に提出する書類を官公署に提出する手続について代理すること。
前条の規定により行政書士が作成することができる契約その他に関する書類を代理人として作成すること。
前条の規定により行政書士が作成することができる書類の作成について相談に応ずること。

要約すると、こういうことです。

「書類の作成と提出の代理、その作成についての相談」

つまり、書類の作成という前提があるわけです。これを 「カバチタレ」に当てはめてみると、まず依頼者から相談を受け、内容証明という権利義務に関する書類を作成しています。つまり内容証明と いう書類を作成する前提なしに、依頼者から法律相談を受けてはいけないわけです。

弁護士にはそのような制限はなく、受けた事件を裁判や交渉によって解決していく仕事です。一方行政書士は書類を作成するために相談を受けます。同じような仕事であっても、 まず出発点と方向性が異なるのです。

行政書士の現場

もっとも、相談を受けたけど、結果的に内容証明を作成するまで行かなかったという場合もあるでしょうし、実際の現場ではその運用はケースバイケースです。昨今は規制緩和もあり、各士業間の仕事のボーダーラインがどこなのかあいまいになってきてもいます。

ただ、行政書士に依頼しようという方に覚えておいていただきたいのは、例えば法律相談をしようと思った場合に、自分としては裁判にもちこむようなことはしたくない。けれど、法律に詳しい人に間に立ってもらって解決できればそれが一番だ。
そのようにお考えの人は、まさに 行政書士が相談の相手として適当です。

もっとも自分の抱えている問題が実際にはどの程度の問題なのか分からない場合もあるでしょう。しかし、そういう場合でもとりあえず行政書士に相談してみてください。それで解決すればよし、問題の程度によってはその行政書士の知り合いの弁護士を紹介してもらえる場合もあるでしょう。

「カバチタレ」では、行政書士が相手の会社や家に行き実際に相手と交渉をしています。おそらくこれらの行為は「相談」に含まれると 解釈し、また漫画的にはこういう場面がなければつまらないということもあるのでしょう。しかし、あくまでも個人の感想として言わせてもらえば、これらの行為は現在の法制度の下ではまだ、ちょっとやり過ぎだと判断される可能性が高い気がします。 実際に、ここまでやる行政書士は私は一人も知りません(笑)

さて、ここまでの説明では、行政書士というのは内容証明を作って法律相談をする仕事なのかと思われてしまうかもしれませんが、 行政書士の仕事はそれだけではありません。
では具体的に見ていきましょう。

官公署に提出する書類

官公署とは、つまり役所などの行政機関のことです。市区町村役場はもちろんのこと、警察署、入国管理局、社会保険庁、税務署、法務局、 その他ありとあらゆる行政機関に提出する書類を作成する。それが行政書士の仕事の中でも最も大きな割合を占めています。

行政機関がたくさんあるのと比例して、作成する書類もたくさんあります。運転免許をもっている方は、運転免許試験場の近くで申請書作成代行 という看板を出している所をよく見かけていると思いますが、あれも行政書士の事務所です。

それから、建設業・宅建業・旅行業などの許可申請、 飲食店・理容店・古物商などの許可申請、ビザの申請、 極端な話、粗大ゴミの引き取りを区役所に申請するのも行政書士の仕事に含まれます。もっともそんな簡単なことを頼む人はいないでしょうが、 とにかく、何かしら許可や申請が必要なもののあらゆるものが行政書士の仕事なのです。

また仕事の範囲があまりにも広いということに関連して、全ての行政書士が全ての仕事に精通しているわけではないということ。この点に ついては、「行政書士に依頼するには」に詳しく説明しています。

権利義務に関する書類の作成

「権利義務に関する書類」とは、あくまでも法律的な意味での権利義務のことです。つまりどういうことかと言えば、その文書を作成する ことによって、自分や周りの人たちの権利や義務に何らかの変化が生じる可能性がある文書ということです。

たとえば遺言書を作成するとします。その人に配偶者と子供が1人いる場合、遺言書がなかったとしたら、その人が亡くなったときには配偶者と 子供の相続割合は1対1になります。すべての相続財産を半分ずつ分けることになります。

しかし、その人が相続財産は子供に多く分けて やりたいとか、家は配偶者に残して預金は子供に残したいという考えがあったときは遺言書を作っておく必要があります。そうすれば、 原則的にはその人の考え通りに遺産が分けられることになるわけです。つまり遺言書を作成したことによって自分と家族の権利関係が変化するのです。

契約書も同じです。契約書によって当事者の人たちは何らかの権利を得て、何らかの義務を負うことになります。 他にも遺産分割協議書や 交通事故の示談書などがここに含まれます。

行政書士の仕事は、依頼者から話を聞き、法律にのっとった文書を作成します。 これについても登記申請と同じような注意点があります。遺言書や契約書の作成は弁護士も業として行っています。弁護士に頼むのと どう違うのでしょうか。 これについても答えは同じ考え方です。

行政書士は書類を作成するだけで、相続人間の争いなどにタッチすることは原則としてできないということです。遺言書を作ることによって、そんな遺言書は無効だなどという相続人が現れるなど、相続人の間で争いが起こる可能性がある場合などは、初めから弁護士に頼んだほうがよいということです。

事実証明に関する書類の作成

「事実証明に関する書類」とはちょっと分かりにくい言葉ですが、そういう事実があったということを記載した書類を作成するように、 法律に定められている書類のことです。

たとえば定款という書類があります。これは会社を作るときに必ず作成しなければならない書類です。会社を設立した後もいろいろな場面で定款は必要になります。 行政書士は、この定款の認証手続の代理申請を行います。
定款の認証とは、定款作成後、公証役場で公証人が行う手続きのことであり、認証をしてもらって始めて定款は有効な書類になります。
この定款の認証には、印紙税が4万円かかります。ですが、電子認証という手続きにすれば、その4万円が不要になります。電子認証を行える行政書士にこの手続きを依頼すれば、会社設立の費用が安くなるわけです。

また株主総会議事録取締役会議事録も会社に備えておかなければいけない書類です。事業をやっている人は会計記帳が義務ですし、労働者を雇う際には就業規則が必須です。
これらの書類も行政書士が作成することができます。
(ただし、従業員が10人以上の会社の場合は、就業規則については社会保険労務士の独占業務だと解されています。)

やってやれないことはない

たとえばあなたがネットオークションにはまってしまったとします。気づくと生活のかなりの時間をオークションにかけていて、しかもかなり儲けも出るようになりました。もしかしたら自分はオークションで食べていけるのではないかと思い、これはちょっと本格的に商売としてやってみようと思ったとします。

商売としてやるとすれば、まず古物商許可が必要になります。たまにオークションをやるくらいなら必要ありませんが、かなりの儲けが出るようになり、自ら商品を仕入れてオークションに出品するということを計画的に行うようになったら、もう立派な古物商ですのでその許可を取ったほうがよいでしょう。

許可を取ったら、次に個人事業として行うのか、会社を作るのかを決めます。商売としてやるか趣味の範囲でやるかの違いはここにあります。事業の届を出せば、事業のための経費を計上できるようになります。事業にしないのであれば収入は個人の雑収入になりますが、事業にすれば青色申告ができるし、そうなれば、かかってくる所得税も大きく違ってきます。ですが、そのためには会計の記帳をきちんとしなければいけません。

さて、 やらなければいけないことがたくさん出てきました。

古物商許可申請 会計記帳 会社にするなら会社設立のための定款認証

しかし、これらのことは、自分でやろうと思えばできることです。ネットで調べたり、所轄の役所に聞いたりして、時間はかかりますがやろうと思えばできるはずです。
時間と根性があればぜひ挑戦してみてください。起業当初は少しでもお金を節約したいところです。しかし、そんなことに時間をかけるより、少しでもより良く安い物を仕入れるのに時間をかけたほうがいいとか、お役所仕事は嫌いとか、そう思うのでしたら、気軽に行政書士に依頼してみましょう。

行政書士に依頼するメリット

行政書士の仕事の範囲はとても広いということは、それだけ人々の生活に密着した職業でもあるということです。例えば、飲食店や喫茶店を開くために必要な飲食店営業許可を行政書士に依頼したとします。その行政書士は営業許可申請を数多く手がけたことがあるとします。

ということは、飲食店や喫茶店を開こうとした数多くの事例を知っているということです。つまり店舗経営のノウハウなどのアドバイスもできるわけです。このように単に許可申請を請け負うだけではなく、お客様の商売に対してアドバイスをすることも付加価値として業務を行っている行政書士もいるようです。

行政書士は弁護士のように何をする職業なのかよく理解されていないため、少し縁の遠い存在になってしまっています。しかし本当は人々の生活に密着した仕事をする「あなたの街の法律家」です。役所への許可申請、届出、書類の作成などでお困りの場合はお気軽にお近くの行政書士にご相談なさってみてください。

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