鈴木行政書士事務所

過払い金返還 超かんたん解説

2.引き直し計算の実例

1.まずは取引履歴を手に入れる

過払い金返還請求をするのに、まず最初にやらなくてはならないことは業者から取引履歴をもらうことです。これも最近はなんだかんだと理由を付けては出し渋る業者が目立ちます。出しても、最近の数年間分だけで、もっとあるはずだと何度も言ってようやく全部出してもらえる場合もあります。
そんな酷い業者があるかと思えば、請求すればすぐに出してくれて、しかも引き直し計算までやってくれて、お金もすぐに返してくれる良心的な業者もあります。業者によっても、同じ業者でも担当者によっては、対応は天と地ほども違います。
一般的には誰もが知っている大手の業者ほど対応が良いとは言えない場合が多く、そういうのに当たってしまったら、粘り強く決してあきらめずに交渉することが必要です。

2.次は引き直し計算

無事に取引履歴を手に入れたら、次に行うことは引き直し計算です。
業者側の利率に基づいて計算されている取引履歴に対して、利息制限法に基づいて利息額の計算をし直すわけです。
自分で計算する場合はネットで公開しているソフトや本に付属しているソフトを使うことになります。無料のもの有料のもの、いくつかありますので、自分の使いやすいものを探してみてください。
自分でするのが無理な方は計算だけを代行してくれる業者もあります。

引き直し計算をすると計算表が作成されます。最終的にいくら過払いになっているのかが最も重要な点ではありますが、計算表の意味くらいは知っておかないと、業者や裁判所などで、なんでこういう計算になるのかと聞かれたときに答えられないということになってしまいます。

以下の計算表はTDONの「利息引き直し計算ソフト」で作った計算表です。これを元にして解説していきます。

この計算表では、まず最初に5万円を借り入れています。その後2万円、3万円、5万円と返済していき、その時点で「元本残額」がマイナスになっています。つまり過払い金が発生しているわけです。

では詳細に説明していきます。
まず、No.2の2万円を返済している行を見てください。

3.借入をしたその日に利息が発生するか

「日数」 が25日となっています。これは借入をした日(9月9日)から返済をした日(10月4日)までの日数のことです。
ここでまず一つの問題が出てきます。それは、「日数」を数え始めるのはいつからかという問題です。借入をしたその日、つまり9月9日を1日目として数え始めるのか。または翌日、つまり9月10日を1日目として数え始めるのかということです。
これが 初日算入 の問題です。

これをどっちにするかということは「民法」で定められています。

「期間を定めるのに日、週、月、年をもって定めたときは、期間の初日は算入しない」(民法140条)

法律の原則は初日をいれないのです。つまり9月10日から数え始めるのが原則なのです。
ところが、多くの金融業者では初日を算入しています。 もちろん、これは1日分でも多く利息を取るために他なりません。法律で決まっているのは原則であって、両者の契約で異なる方式を定めるのは何ら問題はないため、このようにしている金融業者は多いというわけです。

では、引き直し計算のときには、契約通り初日を入れるべきなのでしょうか?
答えは「いいえ」です。
引き直し計算は全てを法律の原則に戻して「引き直す」わけですから、これも原則通り、初日を入れないで計算します。

4.返済金はまず利息に充てられる

次に「発生利息」です。
利息の計算方法は 前回の「元本残額」に利率と期間を乗じて計算します。
つまり、No.2では685円の利息が発生しています。2万円の返済金はまず利息に充当され、残りが元本に充当されます。
この充当の順番も民法で決まっています。

「債務の全部を消滅させるのには足らない給付をしたときは、費用、利息、元本の順で充当する」(民法第491条)

5.「元本残額」がマイナスになると過払いが発生

上記計算表の No.4 で「元本残額」がマイナスになっています。それはつまり過払い金が発生したということです。この時点ではこの金額を過払い金として返還請求ができるわけです。
ところが、その後にまたNo.6とNo.7で10万円ずつ借入をしているため、再び債務額が多くなってしまいました。

その後、また過払いになったり、債務超過になったりと、繰り返しています。たいていの場合はこのように行きつ戻りつを繰り返すケースが多いようです。
そして最終的に、最後の取引まで全て入力し、その時点で「元本残額」がマイナスになっていれば、過払い金返還請求ができるわけです。

6.過払い利息とは

計算表の一番右側に「過払い利息累計」という列があります。
過払い金に対する利息のことで、「元本残額」がマイナスになっている状態、つまりその時に発生している過払い金に対して発生する利息のことです。

「利率」の列を見ると、「5%」となっている行があります。 これが過払い利息が発生している時です。
ここもよく誤解されるポイントなのですが、この利息は業者に支払う利息ではなく、こちらがもらえる利息のことです。
請求できる過払い金があるときに、それに対して年5%の利息も一緒に請求できるということです。

年5%の利息なんて、このご時世に考えられないほど高率の利息ですが、判例で認められているものなので、堂々とこの分も請求しましょう。
業者側はこの利息についてなんだかんだと抵抗してきます。訴訟を起こす場合によく問題になる「悪意の受益者」というのもこれに関する問題ですが、これはまた別の機会にご説明します。


  

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